初心者がFXをする前に知っておきたい、資産運用のイロハ

FX(外国為替証拠金取引)は少額から投資ができて、しかも大きな収益を上げられる可能性のある金融商品です。投資である以上、FXでもハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンという投資の基本は変わりません。とはいえ、円やドル、ユーロといった外国為替は投資初心者でもなじみやすいため、内容をよく理解しリスクをしっかりコントロールできるならば、取り組んでみる価値のある投資といえます。

今回は、FXがどういったものなのか、その運用に関するイロハについて解説します。

そもそもFXとは?

FXとは「Foreign Exchange」の略称です。正式には「外国為替証拠金取引」といいます。この言葉は「外国為替取引」と「証拠金取引」という言葉に分解することができます。つまり、FXは両方の特性を持つ取引というわけです。それぞれの取引の概要をみてみましょう。

● 外国為替取引
「外国為替取引」は、通貨を別の国の通貨に引き換える取引であり、自国通貨の円を使用する日本人であれば、円をドルなど外国の通貨に換えることをいいます。現在は大半の通貨で変動相場制(市場の需要と供給によって為替レートを決める制度)が採用されています。通貨の価値が1ドル=110円や111円になったりと、刻一刻と変化します。

タイミング良く通貨の売買をすると、それだけで収益を得ることができます。もちろん、売買のタイミングが悪ければ損失が発生します。通貨の取引による収益を「為替差益」と呼びますが、FXではさまざまな通貨で為替差益を狙います。

株式や投資信託で投資する場合、投資対象となる銘柄や商品数はとても多く、選ぶのが大変です。しかし、FXは投資対象となる通貨の数に限りがあるため、そうした手間はかかりません。初心者は馴染みのあるドルやユーロを対象にしてみるとよいでしょう。

● 証拠金取引
売買の都度、代金の受け渡しをするのではなく、決済時に売買によって生じた差額を払ったり、受け取ったりする取引の方法があり、これを「差金決済」と呼びます。差金決済の際に損失が発生した場合でも、決済ができるように預けておく金銭が「証拠金」です。この証拠金を使った取引が「証拠金取引」です。

FXの魅力はレバレッジ効果

差金決済を利用する証拠金取引では、レバレッジを効かせることが可能になります。証拠金の何倍まで取引できるかは、国の規制やFXのサービスを提供する会社によって異なります。証拠金の10倍のレバレッジを効かせた取引が可能という場合、100万円の証拠金で1,000万円の取引ができることになります。

レバレッジを効かせず100万円で1万ドルを購入したとして、1ドル100円が110円(円安ドル高)になったタイミングでその1万ドルを110万円で売っても、為替差益は10万円です。しかし、10倍のレバレッジを効かせると、1,000万円で10万ドルを購入して1,100万円で売ることになるため、100万円の利益が得られます。少ない資金で大きな金額の取引ができる、まさに小さな力で大きな物を動かす「テコの原理」のようなレバレッジ効果を得られることがFX最大の特徴であり魅力です。

レバレッジ効果の注意点

ただし、レバレッジ効果は良いことばかりではありません。レバレッジ効果により大きな収益を上げることができる一方、逆に大きな損失が発生することもあります。

レバレッジを効かせていると証拠金で補填できない以上に損失が大きくなることがあります。こうなると、含み損(損失を抱えた状態)が解消されるまで保有しようとしても、ロスカットといって強制的に決済が行われ、損失がそれ以上大きくならないような措置が取られてしまいます。

また、あまりにも急激に相場が変動して損失が出た場合、ロスカットによる強制的な取引終了が間に合わず、証拠金の範囲を超えて損失が発生するときがあります。そのときは「追証(おいしょう)」といって、証拠金では足りない分を追加で入金し、損失補填しなければなりません。出資したお金よりも損失が大きくなるおそれがあることがFX最大の注意点かもしれません。

あなたの許容範囲に見合った利用を

FXの魅力はなんといっても、少ない資金で大きな収益を得られるレバレッジ効果を利用した取引でしょう。しかし、前述した追証が発生する危険性などは避けたいと考える人もいます。無理をせず、自分が許容できる範囲内にレバレッジを調整しましょう。

また、FXは24時間いつでも取引できます。外国為替の場合、世界中のどこかで常に取引が行われているため、日中は仕事で忙しい方でも売買取引することが可能です。

さらに、FXでは為替差益以外に、外国との金利差を利用して利息を得ることも可能です。「スワップポイント」と呼ばれていますが、日本よりも金利の高い国の通貨を持つことで、その差分の利息が狙えます。マイナス金利政策を続けている日本の円を売ってより金利の高い国の通貨を買えば、金利差による収益を上げることも可能となります。

FXは通貨を売買することで収益を得る、非常にシンプルな資産運用です。そういう意味では初心者にもなじみやすい資産運用手段ですが、注意すべきは過大なレバレッジを効かせた取引です。あまり無理をすると取り返しがつかない規模の損失を負うことになりますので、その点に十分注意しながらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。