フィンテックで注目!?P2Pレンディングとクラウドファンディングの違い

2018年は日本でも、P2Pという言葉にひときわ注目が集まるかもしれません。2016年10月にSBIホールディングス傘下のSBI Ripple Asiaを軸にメガバンクや地方銀行、ネット銀行などが、一元決済プラットフォームの構築を目指す「内外為替一元化コンソーシアム」を発足させました。そこでは、仮想通貨に用いられているブロックチェーン技術を用いたP2P(個人間)送金アプリ『Money Tap』を開発しています。

2018年のうちに、まずは住信SBIネット銀行、スルガ銀行、りそな銀行の3行が先行して同サービスを開始する見通しです。「P2P送金」はフィンテックを用いたサービスの典型例で、すでに欧米でかなり普及しており、2020年には約3,200億ドル規模まで市場が拡大するとも推測されています。また、送金のみならず、お金の貸し借りを行う「P2Pレンディング」も欧米では一般的です。その運営で米国最大手のレンディングクラブは、ニューヨーク証券取引所に上場する企業に成長しています。

P2Pとは「個人間のお金のやりとり」

P2Pとは、Peer-to-Peer(仲間同士)、またはPerson-to-Person(個人間)を略した言葉です。P2P送金とP2Pレンディングのどちらも個人間でお金をやりとりする点は共通しています。

P2P送金は、銀行振込よりも格安な手数料(あるいは無料)でお金を送ることができるサービスです。一方、P2Pレンディングは運営会社のウェブサイトを介し、個人間でお金を貸し借りする仕組みです。日本でも海外でも、銀行のカードローンやクレジットカードのキャッシングでお金を借りると非常に高い利息を負担することになります。これに対し、P2Pレンディングならより低い金利でお金を借りられます。

こう聞くと、P2Pレンディングはお金を貸す側にはあまりメリットがないような気がするかもしれません。しかし、カードローンよりは低いとはいえ、銀行の預金で運用するよりははるかに高い金利が得られるので、貸す側にも妙味があるのです。

クラウドファンディングとの違いは?

ネットを通じてお金を調達するという観点でP2Pレンディングとクラウドファンディングは、非常によく似た仕組みです。しかし、大きく異なっている点もあります。最大の違いは、運営会社の立ち位置にあります。

P2Pレンディングの運営会社は、単に借りたい人と貸したい人とをマッチングさせる(引き合わせる)場を提供しているだけです。あくまでお金のやりとりは個人間の合意に基づいて行われます。借りる側の信用力がスコア化されていたりするものの、お金を返してもらえないリスクがゼロではありません。他方、クラウドファンディングでは運営会社が組成したファンドを通じて資金を集め、それを必要としている人のもとに送られるようになっています。つまり、運営会社が資金を提供する人と提供される人との間に入り、そのやりとりにも直接関与しているわけです。

また、P2Pレンディングでは借りた側が貸した側に必ずお礼(利息)を支払うルールになっていますが、クラウドファンディングには「寄付型」のように見返りを求めないものもあります。そういった点においても、両者は明らかに一線を画しているものだといえます。

法規制で日本のP2Pはガラパゴス化!?

ただし、ここまでの説明はあくまで海外のP2Pレンディングに関するもので、日本国内では大きく異なる方式が用いられています。なぜなら、日本では貸金業法と金融商品取引法に基づいて借り手の与信(信用力)審査を行わなければならず、海外で普及しているスキームをそのまま用いることができないからです。

2つの法規制に沿って、日本では投資家が直接的にお金を貸す形式をとっていないのが主流です。投資家に代わって、資金を集めた運営会社が借り手に融資するスキームです。したがって、国内に限っては融資型クラウドファンディングとP2Pレンディングにはほとんど違いがありません。

しかし、こうした新しい仕組みの登場を踏まえて様々な方面で法律の改正も進められているので、海外と同じスキームのサービスが日本でも登場する日が訪れるかもしれません。