ソーシャルレンディングによる不動産投資の今後

少額でも不動産投資ができるとして注目されている方法に「ソーシャルレンディング」があります。ソーシャルレンディングは、クラウドファンディング型の投資方法で、日本において金融商品として認知されだしたのは、2014年の法改正以降です。同改正法によって、参入要件の見直しや投資者保護ルールの整備などが行われました。

本稿では、ソーシャルレンディングをこれから始めたい人のために、ソーシャルレンディングの現状と今後の課題や展望についてお伝えします。

国内市場規模約1,600億円で3年前の11倍に急成長!

ソーシャルレンディングの比較サービスを行っている「クラウドポート」によると、2017年度の国内ソーシャルレンディングの市場規模は1,581億円で、2016年度の670億円と比べて2.4倍に成長しました。2014年度の市場規模は143億円、2015年度は339億円と右肩上がりで成長を続けており、2014年から2017年にかけて市場規模は約11倍にまで膨れ上がっています。

急成長の理由は、従来の不動産投資のように多額の資金を必要としなくなったためでしょう。1万円からの小口投資が可能になったこともあり、副業や貯金感覚で始める人もふえています。2018年には、業界に参入する企業がさらにふえることが見込まれているため、国内の市場規模は一層拡大すると期待されています。

従来の不動産投資との違いは?

従来、不動産投資するには、自己資金や借り入れによってマンション1戸やアパート1棟などを購入し、賃貸に出して収益を得るといった流れが必要でした。この投資方法では、多額の資金が必要で簡単には手が出せませんでした。

近年は「J-REIT(ジェイリート)」「不動産投資型クラウドファンディング」が登場し、少額や小口の取引においても不動産投資ができるようになりました。

不動産投資型クラウドファンディングでは、複数の人が集まって特定の不動産に出資します。対して、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は、ソーシャルレンディング事業者が募集した投資家による資金を不動産事業者に融資する仕組みになっています。

不動産投資型クラウドファンディングと似ていますが、融資という側面を持っているため、貸金業法や金融商品取引法による規制を受けるものとして区別されています。

貸し倒れのリスクや今後の課題

新しいサービスであるがゆえに、いくつか課題もあります。そもそもソーシャルレンディングは、元本保証をしておらず、状況によっては貸し倒れになるリスクがあります。例えば、融資先企業の倒産や経営状態の悪化などによって、融資した金額が回収できなくなる場合などです。

もしもこのような状態に陥ってしまった場合、投資金額は返済されません。貸し倒れのリスクはまったくないとは言い切れず、投資家は常にそのリスクを抱えることを理解しておきましょう。

さらに、基本的に満期まで途中解約できないシステムになっており、融資先の企業がすべて返済を完了するまでは資金を引きあげることはできません。加えて、貸金業法による規制を受けるシステムであるために情報が保護され、融資先の企業がどこなのか、投資家は詳細を知ることができません。

ソーシャルレンディング事業者が集めた資金が、どの企業にどのように融資されたのかを確認できないシステムであることは、ソーシャルレンディングの今後の課題であるといえます。

欧米からアジアまで世界規模で成長を続ける

国内で急激に成長しているソーシャルレンディングによる不動産投資ですが、海外でも同様に市場が拡大しています。世界全体で見ると数兆円の市場規模ともいわれています。

ソーシャルレンディングは、イギリスからサービスが開始され、アメリカで急激に拡大しています。そのため、世界規模で見るとイギリス・アメリカ中心で市場を形成しているといえます。しかし、現在ではヨーロッパ諸国でも急成長を見せており、今後は中国を中心としたアジア諸国においても市場が拡大していくことが考えられます。

いずれは、イギリスやアメリカと肩を並べるような国が出てくるかもしれないので、ますます目が離せない状況となっています。

新しい投資手法としてさらなる拡大に期待

ソーシャルレンディングによる不動産投資はまだ新しい投資方法ですが、国内のソーシャルレンディング市場は拡大しており、今後も成長する勢いを保っています。海外でも同様の傾向があり、期待できる投資方法の一つとなるでしょう。

ただし、投資リスクなど今後の課題もありますので、市場拡大に伴ってさらに投資しやすいシステムに改善されることが求められます。