株式投資は失敗の経験が投資家を成長させる

投資に失敗はつきものです。世界的に有名な投資家であっても、過去に大きな失敗を経験しているでしょう。大事なことは、失敗を次の投資に教訓として活かすことです。そこで本稿では、投資家が陥りやすい失敗例を挙げ、事前に回避するヒントをご紹介します。

株式投資のリスクを知っておこう

株式投資を始めるにあたって大事なことは、どのようなリスクがあるのかを知っておくことです。一般的にイメージする価格変動による「値下がり損」のほかに、次のようなリスクがあります。

・倒産
上場企業の倒産は、平均して年に数件あります。会社自体は残ったとしても、100%減資で新しい会社に再生された場合、旧株は無価値となります。

・上場廃止
倒産のほかにも、親会社の完全子会社となるため、上場廃止になるケースがあります。吸収合併も同様です。上場廃止となると、市場での取引ができなくなります。

・減配
業績悪化によって配当金が減ることがあります。株主優待の廃止も同様で、ともに株価下落の大きな要因になります。

・減資
財務体質の改善を狙って、資本金を減らすことがあります。90%減資の場合、100株なら10株に持ち株数が減ります。理論株価は10倍になりますが、株価にはマイナス要因になるでしょう。

ウォーレン・バフェット氏はどんな失敗をしたのか

世界一有名な投資家といってもいい、バークシャー・ハサウェイ会長のウォーレン・バフェット氏も株式投資で失敗を経験しています。バフェット氏は当初の投資方針として、PBR(株価純資産倍率)に着目し、解散価値を下回っているPBRが1倍割れの銘柄に投資していました。いずれ、解散価値の1倍に株価は修正されるはずという理論からです。

しかし、うまくいかないケースもありました。バークシャー・ハサウェイ副会長であるチャーリー・マンガー氏の助言もあったことから、単に割安な株よりも、内在価値が高く成長が見込める優良株を相応の値段で買う投資法に転換しました。これが、のちに世界一の投資家といわれるまでになったバフェット氏の出発点だったのです。失敗を成功のきっかけにした典型例といっていいでしょう。

陥りやすい株式投資の失敗例は?

株式投資の代表的な失敗例は「高値づかみ」でしょう。投資の世界には「人の行く裏に道あり花の山」という有名な相場格言があります。株式投資は、人と違う行動を取ることによって高い投資効果を得られます。ところが、人間は群集心理につられやすいものです。皆が買っている注目株に目がくらみ、思わず飛びついて買ったところ、そこが高値圏だったというのはよくあるケースです。

次に多いのが「あせり買い」です。配当や株主優待の権利が近い銘柄に気づき、今買えばすぐに権利が取れると、株価水準も確かめずに買ってしまうことがあります。そして、権利落ちで株価が急落し、配当や株主優待分以上の含み損を抱えるというおそれがあるのです。

反対の「あせり売り」も同様で、持ち株に悪材料が出ると「もっと下がるのでは……」と不安になり、あわてて安値で手放してしまうことがあります。その後、大した影響ではなかったことがわかり、株価が急反発すれば「あの時、売らなければよかった」と後悔することになるでしょう。

同じ失敗を繰り返さないために

投資家の中には、同じ失敗を繰り返さないために、損失を出した原因をノートに記録している人がいます。これはとても有意義なことで、人間の記憶の曖昧さを補うのに有効です。反対に、利益をあげた場合も記録しておけば繰り返しチャンスをつかむことができます。失敗を今後に活かすという意味で、投資記録の作成はおすすめです。

失敗を教訓に投資家として成長しよう

「失敗は成功のもと」ということわざがあるように、投資は失敗を経験することによって、投資家として大きく成長することがあります。

例えば、円高は一般的には株式市場にとってマイナス要因ですが、円高になったほうがプラスの業績になる銘柄もあります。その場合は円安局面で株価が下がったところで買っておくと、円高に振れた場合に株価が反転上昇して利益が出ます。

ところが、単純に「円高になったから、この銘柄は買いだ!」と思って投資すると、あとで反落に転じるという苦い経験をするケースもあります。そのような失敗でも、経験を積み重ねれば、各銘柄の”クセ”がわかるようになってきます。

「噛めば噛むほど味が出る」ではありませんが、経験を積めば積むほど利益が出るように、投資における失敗は決して無駄にはなりません。

投資家としての成長は、一朝一夕には望めないものです。本物の投資家になるためには、地道で長い道のりであることを心に留め、日々の投資に励んでいきましょう。