「不動産投資型クラウドファンディング」と「不動産銘柄」はどちらが有利か

2020年の東京五輪開催と、2027年のリニア中央新幹線(以下、リニア)開業という2つのビッグイベントで、今後も大都市圏の人口は高止まりが予想されています。この機会に不動産投資を考える方は、「不動産投資型クラウドファンディング」で安定した運用を目指すか、三菱地所をはじめとする「不動産銘柄」に直接投資して夢を買うか迷うところでしょう。

本稿では、「不動産投資型クラウドファンディング」と「不動産銘柄」を総合的に比較した場合、どちらが有利なのかを考えてみます。

大都市圏の不動産は今後も需要の増加が見込める

「オフィス空室率」という経済指標が発表されるくらい、不動産は物件の空室率(または入居率)によって収益が変動します。人口減少社会が進展する今後の見通しはどうでしょうか。

まず2027年にリニアの東京(品川駅)-名古屋駅間が開通しますが、これによって東京と名古屋の交流が活発になるのは確実で、オフィス需要の高まりが期待できます。そして、2037年には大阪まで延伸され、東京-名古屋-大阪の3大都市圏が67分で結ばれることになります。

そうなると、利便性向上によって大都市圏に進出する企業がさらにふえることが予想されるため、不動産市場には追い風となるでしょう。

人口減少社会になっても大都市圏の人口はそれほど減らない

国立社会保障・人口問題研究所の人口動態調査によると、東京都の人口は2015年の1,351万人から、全人口が1億2,000万人を割り込む2030年でも1,388万人に増加すると予測されています。リニアの当面の終着駅である名古屋を擁する愛知県も、2030年までに1.7%減とわずかな減少にとどまり、リニアの開通で大都市圏への人口集中がますます進む公算です。

そう考えると、大都市圏の不動産市場は今後も有望な投資先といえるでしょう。そうした中で、「不動産投資型クラウドファンディング」「不動産銘柄」「J-REIT」などの商品からどれを選ぶのが適切かということになります。

クラウドファンディングと株式の違い

では、クラウドファンディングと株式の違いを確認しておきましょう。まず、クラウドファンディングは運用期間が決まっていますが、株式には信用取引をしないかぎり、期限はありません。そのため、株式は値上がりして売却するか、値下がりして損切りするか、株価の動向によって自分で判断し、保有期間を決定します。その点、決められた金額からはじめられ、決められた金額で償還をするクラウドファンディングは初心者からするとわかりやすいかもしれません。

手数料については、例えばTATERU社の「TATERU Funding」では無料となっていますが、株式は証券会社のキャンペーンを利用した場合以外、基本的に有料という違いがあります。株式には銘柄によって株主優待が付くなど有利な面もありますが、投資のしやすさという意味ではクラウドファンディングのほうが有利と考えてよいでしょう。

次に、資金の性格による両者の特徴をご紹介します。

「不動産銘柄」に限らず、株式は買い時と売り時のタイミングが大事

クラウドファンディングではなく、大都市圏に多数の物件を持つ大手不動産会社に直接投資するのも選択肢の一つです。例えば、最大手の三菱地所(東証1部・証券コード8802)は丸の内、大手町など東京都心のビジネス街を地盤にしており、高水準の物件稼働率を維持しています。

東京への人口一極集中は、東京五輪を控えてますます進むことが予想されるため、三菱地所は夢のある投資先といってよいでしょう。ただし、リスクもあります。

同社の2018年初頭から5月18日までの年初来高値・安値を見ると、高値が1月25日の2,218円、安値が3月26日の1,682円で、値幅は実に536円もあり、株価の変動が激しいのです。

5月18日時点の株価は2,037円なので、もし3月下旬の安値近辺で買っていれば、350円程度の評価益が出ていることになります。上昇率に換算すると約20%です。今後も保有を続けた場合は、東京五輪に向けてさらに利幅が拡大する可能性もあります。

その反面、1月下旬の高値で買い、3月下旬の安値で売った場合は約30%近くの下落率となります。つまり、買い時と売り時のタイミングをいかに読むかが株式投資の醍醐味であり、リスクであるともいえます。相場を当て続けることは難しいため、株への投資は基本的にボーナスや不用品の売却などで得た余裕資金で行うことをおすすめします。

安定した収益を求めるなら「不動産投資型クラウドファンディング」も検討

一方、明確な目的を持った資金であれば、「不動産投資型クラウドファンディング」を検討してみるのもよいでしょう。運用期間がおおむね3か月~1年間の範囲内で、機動的な運用ができるためです。また、「TATERU Funding」では運用が終了した物件は100%予定利回りを達成している実績もあり、上手く資金を回転させれば、安定した収益の確保も見込めるかもしれません。

以上、「不動産投資型クラウドファンディング」と「不動産銘柄」を比較した結果、投資する目的によってどちらを選んだらいいかはケースバイケースということになります。大リーグの大谷翔平選手ではありませんが、投資も資金の性格に合わせて二刀流で使い分けることができれば、あなたも最強の投資家になれるかもしれません。